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動物殺処分0(ゼロ)を目指して

動物殺処分について

2016年7月に私が所属する東京弁護士会公害・環境特別委員会から「動物愛護法入門 ―人と動物の共生する社会の実現へ」という書籍を出しました。この書籍は、現在使われている動物愛護法について飼い主の立場でも動物取扱業者の立場でもいずれの立場からでも利用しやすいように解説をした書籍です。この書籍の狙いですが、動物愛護法を一般の方々にわかりやすく解説することはもちろんですが、もう一つの狙いとして動物殺処分を減少させたいということがあります。
動物殺処分とは、飼い主・販売業者・ブリーダー・流通業者など動物に関わる立場の人は様々いますが、いずれの立場でも動物が何らかの理由で不要になった場合に問題となるのです。現在の動物愛護法では、犬猫が不要になった場合の引き取りについては、35条で定めています。事業者からの引取要請については保健所や動物愛護センターは拒否でき、飼い主などからの引取要請については、拒否できる場合(「引取りを求める相当の事由がないと認められる場合」)を除いては、保健所や動物愛護センターは引き取らなければならないとされています。殺処分の問題が生じるのは、動物が引き取られた場合の話なのです。動物愛護センターなどに引き取られた犬や猫がその後引き取り手が見つからなかった場合に処分をせざるを得なくなってしまい、「殺処分」となるのです。
殺処分が生じる理由には様々な理由が考えられますが、大きく分けると(1)飼い主の問題、(2)販売者の問題が考えられます。飼い主の問題というのは、自分が動物を飼いきれるかをよく考えないで安易に動物を飼ってしまうことです。飽きてしまったとか引越先が飼育できる住環境でないとかの理由で犬猫を放棄せざるを得なくなった場合に愛護センターなどに持ち込まれてしまうのです。事業者の問題は、飼い主になつくだけの十分に成長していない段階の犬猫を販売したり、買主が本当に動物を飼うことができるのかを見分けないで安易に販売してしまうことにあります。
「飼い主」という立場から生じる問題については、私たちも身近に生じうる問題ですが、どう対応していけばよいのでしょうか。自分が飼うことが本当にできるのかを見極めたうえで犬猫を飼うことが一番です。飼った後でも自分がもし飼うことができなくなった場合には、譲渡先を自分で探し、安心できる飼い主に動物を飼ってもらうことです。こうすることで、愛護センター(保健所)で引取り手が見つからないという事態を防ぐことができます。私たちもできることから殺処分の減少のために行動していきたいものです。


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